「海外超現實主義作品展」の資料
1937年に開催された、日本でシュルレアリスムの動向を紹介した展覧会「海外超現實主義作品展」の資料2点を入荷いたしました。
海外超現實主義作品展を企画したのは滝口修造、山中散生。滝口修造は美術評論家・詩人。日本の前衛美術をリードした人物として、またシュルレアリスムの紹介で今現在もよく知られています。山中散生は詩人(でNHK職員)。ポール・エリュアール、アンドレ・ブルトン、トリスタン・ツァらと交流があり、美術雑誌でもダダやシュルレアリスムの紹介を書いていました。
シュルレアリスムの作品は雑誌で部分的に少ないタイムラグで紹介されており、本展以前にも1933年の「巴里・東京新興美術同盟」でのエルンストらの紹介もありました。本展は絵画の図版写真と素描、コラージュ、版画など計350点をこえる資料からなる展覧会で、銀座の日本サロンではじまり、京都、大阪、名古屋、金沢を巡回しています。
出品はマックス・エルンスト、ハンス・アルプ、ハンス・ベルメール、ジョアン・ミロ、イヴ・タンギー、ポール・ナッシュ、サルバドール・ダリ、ポール・エリュアール、パブロ・ピカソ、ウィリアム・ヘイター、アルベルト・ジャコメッティ、など。
展覧会の図録というより解説冊子である海外超現實主義作品展
序文、滝口修造、山中散生。解説は滝口修造。春鳥會より1937年刊行。簡単な出品目録と作家の言葉として制作についてのテキストの翻訳が掲載されています。税込86,400円。
みづゑ臨時増刊 1937年5月 第388号 海外超現實主義作品集
実質的にはこちらのほうが現在でいう図録と呼べるものになっています。カラー図版1点と白黒図版125点、出品作家の簡単なプロフィール、年譜、海外の文献目録を掲載。編 : 滝口修造、山中散生。ただし掲載図版が出品作品と同じかどうかは判りません。春鳥會より1937年刊行。税込27,000円